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機械翻訳ポストエディティング:知っておくべきことと使うべきツール

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memoQ - 05/10/2021

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機械翻訳 (MT) はここ数年で飛躍的に進歩し、今では翻訳者の仕事を完璧に補完できるようになりました。アルゴリズムに基づいて翻訳を提供するMTを利用することで、膨大な時間を節約できます。

機械翻訳をベースにした、MTPE(機械翻訳ポストエディティング)という全く新しい翻訳ワークフローが構築されたのも不思議ではありません。すでに多くの翻訳者やLSP(言語サービスプロバイダ)がこのハイブリッド方式に特化しています。このワークフローは、前翻訳済みの(通常はLSPのプロジェクト管理者から提供される)テキストを中心に展開され、それを言語専門家がレビューし、編集します。

次のセクションでは、MTPEを使って翻訳する際のヒントと、MTPEが役立つケースをご紹介します。9.9で導入されるMTの新機能をすぐに確認したい場合は、遠慮なく次の説明は読み飛ばしてください。

機械翻訳ポストエディティング:どのように機能するのか?

機械翻訳のポストエディティングとは、その名の通り、言語専門家がMTエンジンを使って文書を翻訳し、その機械翻訳の内容をポストエディティング(翻訳後に編集)する場合に必要な工程です。MTのスピードと、人間の頭脳が備える知識を組み合わせたこの方法は、今や世界中の翻訳者やLSPが活用しています。

この方法の利点は、特定の文書の場合には、機械だけを使ったり、人間の翻訳者だけを使ったりするよりも、はるかに早く翻訳を完成できることです。もちろん、あらゆる種類のテキストをこの方法で処理できるわけではありません。ライフサイエンスなどの分野では、機械翻訳だけに頼るとかえって危険な場合もあります。また、機械翻訳されたテキストを扱う際には、何らかの編集が必要になることにも注意しなければなりません。機械は個々のセグメントの翻訳を考え出すことには優れていますが、そのアルゴリズムは一般的に、常にコンテキストを識別し、特定のセグメントに最適な文字列を選択できるほど賢くはありません。

ここでは、MTPEを活用する価値のある使用事例をいくつかご紹介します。

機械翻訳ポストエディティングで成功を収めるには

機械翻訳ポストエディティングを行う際には、最良の結果を得るためのポイントがいくつかあります。まず、あらゆる種類のテキストがMTに適しているわけではないことを理解しておきましょう。次のような状況では、MTの利用を控えるか、機械翻訳されたテキストを何度も慎重に編集する必要があります。

  • 広告やマーケティング目的のテキスト:対象読者が多岐にわたることが予想され、ウィットに富んだ、人々の関心を集める文章が好まれます。MTには人間のような生涯経験がなく、社会的状況も理解していません。このようなケースでMTを使うと、ジョークのセンスや社会的状況を踏まえた意味が翻訳の過程で失われてしまうことがあります。
  • 特定の分野の専門知識を必要とするテキスト(医学、法律、工学など)。
  • UX/UIコピー:これらはコンテキストに大きく依存します。使うべき言葉を正確に判断するには、ユーザーインターフェイス全体を理解しなければなりません。

ただし、機械翻訳に適しているテキストもあります(ブログの投稿や記事、くだけた表現のテキストなど)。そのようなテキストの編集は複雑でないことが多いので、膨大な時間やリソースを節約できる可能性があります。

機械翻訳ポストエディティング:memoQお勧めのヒント

  1. ソーステキストはできるだけ機械翻訳に適したものを用意しましょう。
    MT
    エンジンが翻訳しやすいように、必要に応じてソーステキストに手を加えて調整します。その際、セグメントの意味を変えたり省略したりしないように注意しましょう。

  2. ポストエディティングが本当に最適なのか見極めましょう。
    スピードはMTPEの重要な利点の一つです。もし、MTで翻訳された文字列を個人的な好みで(必要に迫られてではなく)変更しているのであれば、機械翻訳を利用する価値はあまりなく、代わりにプロジェクトをゼロから始めた方が効果的かもしれません。

  3. プロジェクトに最適なエンジンを選択しましょう。
    memoQ
    は、ローカライゼーションプロジェクトで使用できる、数え切れないほどの機械翻訳エンジンをサポートしています(ビルトインタイプのものと手動で追加するものがあります)。翻訳を始める前に、そのテキストやプロジェクトに最適なエンジンを調査し、特定することをお勧めします。

  4. 機械翻訳されたテキストと人間が翻訳したテキストを区別して編集できるようにしておきましょう。
    人間の翻訳者が翻訳したテキストを編集する場合に気をつけなければならないのは、動詞の活用や主語と動詞の一致など、文法的なミスがほとんどです。また、タイプミスにも注意が必要です。一方、機械翻訳されたテキストを扱う場合、間違いのほとんどはコンテキストに関するものになる傾向があります。すべてのセグメントが文書全体のコンテキストを踏まえて正確に翻訳されているか確認しなければなりません。

 

memoQ 9.9:機械翻訳の新たな領域

memoQ 9.9には、MTの活用を検討している翻訳者の方にも、機械翻訳ポストエディティングを採用しているLSPにお勤めの方にも、最大限に活用していただける新機能がそろっています。次にご紹介する機能はすべて、MTを使った作業の効率化につながります。

機械翻訳されたセグメントが進捗レポートに含まれるようになりました

memoQのプロジェクトで翻訳を進めていくと、特定の文書またはプロジェクト全体の単語数、セグメント数、文字数の統計を作成できます。これまで機械翻訳はこの統計に含まれていませんでしたが、9.9からは、MTを使って翻訳されたセグメント数を示す行が追加されたので、ターゲットセグメントがどのように前処理されたのか簡単に確認できます。

MTプラグイン:XL8をサポート、TexTraを更新

TexTraプラグインの更新に加えて、新しい機械翻訳プラグインXL8が導入されます。このプラグインは、手動でmemoQに読み込むことで使用できます。XL8 AIの機械翻訳は、特にメディアやエンターテインメントの分野においてローカライゼーションをより容易にすることを目指す、強力なMTエンジンです。

Skrollが開発したソリューションを搭載するXL8は、コンテンツやオーディオ、ビデオ、アナリティクスなどにニューラル機械翻訳を利用できるようにすることで、言語の壁を取り除きます。XL8が瞬時に言語を識別し、翻訳の出力品質をチェックし、過去の翻訳から学習し、コンテンツを分析することで、翻訳プロセスが高速化、効率化、透明化されます」(出典:XL8.ai

署名済みのプラグインパッケージはこちらからダウンロードできます。

機械翻訳を頼りにしている方には、まさにmemoQ 9.9が最適です。今すぐダウンロードして、すべての機能をお試しください。次のレベルのMTPEが待っています。

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