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memoQ 9.3からmemoQ 9.7、そしてその先へ ― 生産性のさらなる向上に向けてユーザーの皆様と一歩ずつ

Daniel Bodonyi
Daniel Bodonyi - 30/04/2021

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memoQ 9.3からmemoQ 9.7、そしてその先へ

ユーザーの皆様と同じように、memoQのメンバーたちも毎回新しいリリースを心待ちにしています。

 

実を言うと、ユーザーの皆様にとってもそうであるように、私たちもmemoQのリリース内容のすべてに完全には満足できないことがあります。ユーザーから送られてくる新機能のリクエストは毎年700件を超え、リリースのたびにメンバーそれぞれが、この機能も入れたかった、あの機能も入れたかったと思っています。

 

世界中の120を超える国々で、数万人のプロの翻訳者の方々、そして1,000を超える組織の方々が日々memoQを利用されています。こんなにも幅広く多様なユーザー層のニーズにお応えするということは、総勢100名のチームである私たちにとって大変光栄なことであると同時に、真剣に向き合うべき責任を伴うものです。

 

幸運なことにmemoQは世界で数少ない言語テクノロジー企業の中でも、言語サービスのバリューチェーン全体で多くのお客様にご愛顧いただき、大小合わせて数百もの翻訳会社様、そして数万人のフリーランスの翻訳者様にご利用いただいています。多くの競合他社と違い、当社は言語業界のエコシステム全体に価値を提供しています。サプライチェーンの一部にメリットがあれば、周囲全員にもメリットがあります。より多くの企業様がmemoQを使うようになれば、翻訳会社様やmemoQライセンスをお持ちの翻訳者様も仕事がしやすくなりますし、翻訳会社様や翻訳者様が、生産性の高さを理由にmemoQを選ばれれば、企業様はその強固なサプライチェーンの恩恵を受けることができます。

 

また、当社は保守対応と最新技術を取り入れることに大きな投資を行っています。毎日24時間、高い生産性を求められる世界で翻訳ツールに頼るなら、そのツールは信頼性が高く強固で、期待通りに動いてくれるものであってほしいはずです。memoQが登場したのは今から15年前。皆様がここから15年後、そしてその先も私たちの技術に安心して頼れるよう、私たちの技術を持続可能なものにしていきたいと考えています。

 

このアプローチは私たちの信念ですが、もちろん簡単なことではありません。memoQのリリース内容で、翻訳者様、翻訳会社様、企業様の全員に等しく喜んでいただけることはほとんどありません。私たちの技術の持続可能性を維持するためには、新しい機能を少しずつしかリリースできないこともあります。完成までに数年かかるような大きな開発もあります。そしてどんなに全力で努力したとしても、その道中では時として失敗することもあります。

 

でも、前回のLTS版であるmemoQ 9.3リリース以降の実績をご覧いただければ、翻訳者様も、企業や翻訳会社のローカライゼーション担当者様も、memoQが一歩ずつ、すべてのユーザーに価値をお届けすることができたということに同意していただけると思います。

 

あなたがもし、他の数千人のユーザー様同様に年1度のLTS版にアップグレードしようとお考えなら、以下にmemoQ 9.3と比べてmemoQ 9.7はどこが新しくなったかをハイライトでご説明していますので是非ご覧ください。より詳細な比較をご覧になりたい場合は、当社ウェブサイトの「What am I missing?」ページをご覧ください。

 

memoQ Web PMで効率的なローカライゼーションプロジェクト管理

デスクトップ版かウェブ版か。その答えはご自身が翻訳者なのか、レビュー担当者なのか、ローカライゼーションプロジェクト管理者なのか、エンジニアなのか、経営者なのか、システム管理者なのか、住んでいる場所、プロジェクトの種類、お持ちのmemoQライセンスのタイプによって違ってきます。でもこの2つがトレンドであるということは明白な事実です。翻訳者様は圧倒的に、信頼性が高く、パワフルで、機能が充実したデスクトップツールを好みますが、ローカライゼーションプロジェクト管理者様は益々、プラットフォームに依存しないブラウザベースのソリューションを受け入れるようになってきました。memoQのパワフルな翻訳プロジェクト管理機能をもっとウェブ版でもご利用いただけるようにと努力を重ねているのはこのためです。9.3以降に開発した機能の一例です。

 

memoQ Web PMには今後もさらなる改善を加えていく予定です。プロジェクト管理機能に関してはデスクトップクライアントと同等のものに近づけていきますが、例えばどこにいても企業データを活用してプロセスの効率化を進めることができるようなBusiness Reportingなど、エキサイティングな新機能は、ウェブ版の方で先行してリリースしていこうと考えています。

memoq-blogpost-retrospection__Easier memoQ WebPM

memoQ WebTransの翻訳生産性ブースター

ブラウザベースの翻訳環境であるmemoQ WebTransの新しいUI開発、最新技術の導入に時間を割く中でも、翻訳効率を考えてmemoQWebを頼っていらっしゃる皆様のユーザーエクスペリエンスを改善し続けることも重要だと考えています。memoQ 9.3からmemoQ 9.7にアップグレードすると、以下のような改善された機能でブラウザでの文書翻訳がよりやりやすくなります。

 

WebTransの新しいUIとブラウザベースの国内レビューツールの開発はすでに進んでいます。これらのプロジェクトは持久走になるため今年中にはゴールできませんが、私たちの翻訳テクノロジーはより生産性が高く、さらにユーザーフレンドリーになっていき、ブラウザ版もさらにスマートなビジュアルに変わっていく予定です。

 Boosters memoQ WebTrans

memoQデスクトップクライアントのユーザビリティ向上

上記にもありますが、幾度ものアンケートで明らかだったのは、翻訳者様はブラウザベースの翻訳エディタ様よりも、信頼性が高く、パワフルで、機能が豊富なデスクトップツールを好むということです。つまり、memoQデスクトップクライアントはしっかり定着しているということです。実は、今年はデスクトップ版の改善に力を入れていく予定です。memoQのヘビーユーザーなら、翻訳者様でもプロジェクト管理者様でも、以下の機能を活用するために是非9.7にアップグレードすることをお勧めします。


memoq-blogpost-retrospection__batch

さらなる透明性と、2つのお約束

2021年は引き続き、memoQの新しいIdea Portalを運営していきます。リクエストをいただいたβテスト中の機能を管理する、透明性が高くインタラクティブなプラットフォームです。新しいポータルでは、ご自身がリクエストした機能のステータスを確認したり、良いと思ったリクエストに投票したり、コメントを投稿して他のユーザーやmemoQのプロダクトマネジメントチームと繋がったりすることができます。最終的には有効なSMAをお持ちの全memoQユーザーにご利用いただけるようにする予定です。

 

新しいポータルでは2つのことをお約束いたします。1つ目は、ユーザーコミュニティで投票数の多かった上位20%のアイディアを検証し、返答することです。検証した機能をすべて実装できるというわけではありませんが、それでも可能な限り多くのアイディアを実現いたします。2つ目は、今後すべてのmemoQリリースで、何かしらフリーランス翻訳者の皆様にとってメリットとなるものを必ず入れることです。これまでは思うようにそれを実現できていませんでしたが、これからはその流れを変えていきます。ポータルへの投稿から多数の賛成票を獲得し、実装が実現した初めての機能が、用語ベースで大文字/小文字の切り替えができる機能です。他にもたくさんの機能が待ち受けています。

memoq-blogpost-retrospection__Usability improvements

インテグレーションと相互運用性:多い方が楽しい

長年に渡りmemoQは、各分野の最高の製品を利用する「ベスト・オブ・ブリード」のアプローチを常に取ってきました。私たちは市場一のCATツール、翻訳管理システム(TMS)を提供するという、私たちが得意なことに全力を注ぐことで最大の価値を生み出すことができると信じています。私たちは機械翻訳エンジンを開発しませんし、業務管理システム(BMS)にもなりたくありません。さらに言えば、翻訳サービスを始めてお客様の競争相手になるつもりもありません。

 

インテグレーションと相互運用性がこのアプローチの鍵です。memoQ 9.3以降、当社と信頼置けるパートナーとが実現してきた改善には以下のようなものがあります。

 

これからもソースシステムのコネクタや、サードパーティ製のパッケージでmemoQのパワフルなワークフロー自動化テンプレートを利用できる機能などが登場するかもしれません。2021年、そしてその先に是非ご期待ください。

 Integrations and interoperability

機械翻訳が主流に:memoQの新しいエンジン

高品質の翻訳は経験豊富な人間の翻訳者にしかできない、という信念は変わりませんが、最近では特にニューラル機械翻訳(NMT)エンジンの発展に伴い、機械翻訳が翻訳ワークフローに欠かせない存在になってきています。今後ますますテクノロジーが進化していく状況で競争力を維持するためには、最高の機械翻訳エンジンをmemoQで活用できるようにしておく必要があります。9.3以降、以下の機能を追加しました。

 

新しいエンジンを追加することだけで、人間と機械翻訳のワークフローを融合させるお手伝いが終わりだとは思っていません。引き続き、新しいBusiness Reportingやワークフロー管理オプションなどをmemoQに追加していきながら、お客様が機械翻訳を効率的に使っていけるように最大限の努力をしてまいります。結局、ニューラルネットワークができることには限界があります。古き良き人間の頭脳と、そのクリエイティブさと学習意欲をサポートするデータとカスタマイズオプションが、私たちの業界にはこれからもずっと、何よりも必要なのです。

memoq-blogpost-retrospection__MT mainstream

シングルサインオンと多要素認証でセキュリティを強化

memoQを利用する何百もの企業、政府間機関や政府機関のITセキュリティ専門家だけでなく、法律、財務、ゲーム、その他機密性の高いコンテンツを扱うローカライゼーションプロジェクト管理者や翻訳者の皆様にとって、何よりも大切なのは当然のことながらセキュリティです。皆様のmemoQ serverとmemoQアカウントのセキュリティを守ることは私たちにとって極めて重要です。そのために、認証方法の範囲を広げるべく新たな機能をいくつかリリースいたしました。

 

2021年は引き続き、新しいSSOおよび多要素認証ソリューションを強化すると共に、皆様の(願わくは)一番お気に入りのローカライゼーション環境、翻訳、およびデータのセキュリティをしっかりと守るさらなる施策を提供してまいります。

memoq-blogpost-retrospection__SSO multi

これまでの実績と、その先を見据えて

誰もが困難を強いられた昨年。振り返れば感謝の気持ちを抱かずにはいられません。皆様それぞれ個人的に大変な状況が多々あったり、商業的にも厳しい状況に耐えなければならなかった中、それにも関わらず離れずにいてくださったこと。memoQのユーザーベースが広がり続けたこと。皆様からいただいたアイディアやご意見を元に、memoQを更に改善することができたこと。そしてこれからも更に良くしていくために、この先に待ち受けるすべての機会に感謝の気持ちでいっぱいです。

 

それでも、新たなリリースの際は頭にある疑問が付きまといます。これで十分やり切ったといえるのか?それを判断するのは皆様です。ただ、これからも努力を続けていく姿勢は揺るぎませんので、その点はご安心ください。皆様も、私たちも、memoQ 9.7のリリースが最終到達点だと思うことはないでしょう。「~have promises to keep, and miles to go before [we] sleep.(果たすべき約束があり、眠りにつく前に、まだ何マイルもの道のりがある。)」という詩の通りです。これからも皆様とともに、一歩ずつ旅を続けて行けることを楽しみにしています。

 

私たちはここで立ち止まったりはしません。

 

バージョン9.3以降にリリースされた新機能の全リストはウェブサイトをご覧ください

 

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